目次
まずは自分の頭で考え抜く
本サイトでは、ビッグピクチャー作成のためのリサーチに焦点を合わせています。依頼主は何らかの重要な意思決定をするためにこのリサーチを依頼しているわけです。それが、聞きかじり、学んだばっかりの分析フレームワークに無理やり当てはめたかのようなレポートを読まされても、無意味であることは明々白々ですよね。
事例を中心にファクトを集めて整理していく作業の中で、何を比較すべきか、どういうところに注目すべきか、分析結果は客観的なものなのか、リサーチャーの主観の要素が強い内容なのか、といったことが自ずと出てくるはずですから、そうした思考に素直に従ってスライドを作成していった方が良いでしょう。複雑なフレームワークのフォーマットに従うよりも、もっとシンプルに調査結果の成果を見せることができると思います。何よりも重要なことは、ビジネスリサーチの依頼主がどのような意図であなたに仕事を依頼したのか、現在すでに分かっていることは何か、何を知りたいと思っているのか。こういうことを最初に考えて、途中経過ではそこをしっかり確認しながらリサーチを進めることです。
経営学 理論 / ビジネス分析 フレームワークを学習する意味
そうはいっても、ビジネス分析を進めていくうえで、有力な経営学の理論やフレームワークを知っているのと知らないのでは、大きな差が出るのは言うまでもありません。先ほどクライアントの意図と問題意識という話をしましたが、聞き手5人が全員MBA出身者みたいなこともあります(笑)クライアントが頭の中にどのようなフレームワークを持っていて、その上で調査依頼を出しているのか、ということを想像するためには、こちらも相応の知識を持っておく必要があります。報告に際してどのような質問が来るかということについても同様です。
経営学 独学 では、多くの事例を知ることを重視する
経営書やビジネス書をたくさん読むことのメリットの一つは、様々な企業や事業の事例を知ることができることです。事例を多く知っていれば、調査中にも「類似例」を思いつくことができるため、調査力も説明力も向上します。
経営学では近年、定量分析が主流になっているということを聞きますが、やはり聞き手の頭に刺さりやすいのは「事例研究」です。ビジネスリサーチでは過去の事例よりも、現在進行形の事例を調査することが多いですが、さまざまな事例研究の成果を知っておくことは重要です。
関連図書
『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(大前研一)
『RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる』(デイビッド・エプスタイン)

知識の幅が最強の武器になる という本で初めて知った「 マッチクオリティー 」という言葉は、経済学の用語で、ある仕事をする人とその仕事がどれくらい合っているか、その人の能力や性質と仕事との相性を表す言葉だそうです。...